野良爺風伝録

鈴鹿山脈の東麓で、薬草と機能性野菜の栽培に取り組む、気儘なオヤジの世迷言

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激闘の末に

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 前日の見回りで猪が掛かっていたのは判っていたのですが、生憎槍を持っておりませんでした。50キロオバーと思えたので、とても山芋堀で叩いて仕留める勇気は私にはありません。
 孫子曰く、朝は鋭、昼は惰、夕は帰。午後も3時を回っており槍を取りに戻ってまで仕留める気も起らず、明日出来る事は明日すれば良いとの性格もあって、、翌日に延ばし、準備も万端、戦意も高く早朝の出陣となりました。
 
 前の逆襲に懲りたので、今回は慎重に攻めます。普段は3mの槍に1mを繋いで4mにし、ワイヤーで括られた敵の攻撃内には入らずにアウトレンジアタック。
 
 しかし老いて腕も細くなった身には4mの先に重ね9ミリの菊池槍を付けた槍は重すぎて、動き回る猪を突くには狙いが定まりません。猪さんには気の毒でしたが、槍で刺すものの一向に致命傷を与える事ができず、長々とやり取りのあと出血多量でへたって来たところを、槍を短く持ち直して胸元深く槍を沈め、何とか仕留めました。
  
 今期有害駆除の最後の得物になるかもしれないので久し振りに解体をしましたが、予想通り脂はのっていません。10月になって猟が出来なくなったら燻製に取り組もうと思うのでそれで十分です。
 
 有害駆除は月5頭の6ヶ月30頭を目標にしましたが、何とかクリア。残り1週間でもう1頭欲しいなあ。

中印美人草

 台風一過、罠の様子を見に行こうとしていると、名古屋から援農ボランティアに来てくれるAさんより電話があり、喫茶店に居るから来いとの事で急遽予定を変えることとした。
 
 喫茶店で長話のあと畑に向かうと、台風の被害は殆ど無く、シャタバリの試し掘りを行った。
 シャタバリはAさんがたって願った薬草で、入手に苦労した。タイから知人に持ち帰って貰ったものの冬越しに失敗したが、Aさん本人が見つけて苗を取り寄せたものが育った。
 畑とポットで合わせて10本程あり、畑での冬越しにも何とか成功して、写真の様に根茎が沢山できている。
 
 水洗いをして薄く切り、乾燥して蜂蜜に漬けるか、粉末にしたあとやはり蜂蜜で練るのが一般的な利用方法らしくシャタバリは成分を蜂蜜に溶かし込むのが良いらしい。もちろん乾燥したあとお酒に漬け飲んでも効果があるとの事。
 
 前回書いた様に語源は「100人の夫を持つ人」との意味で、女性を強く美しくする効果を持つが男性にだって効く。
  
 最後の写真は昨年、元広島植物公園長で南方植物の研究家であり、私にとっては綾ケ谷流ツボクサ栽培の家元である中山長秀さんからお送り頂いたクサスギカズラであるが、同じキジカクシ科の植物でこれの根を蒸して乾燥したものを漢方で天門冬と呼び、鎮咳、利尿、緩和、滋養、強壮の効果があってやはり蜂蜜に漬けた物を食べる利用方法がある。
  
 学問的資料はこちらの方が多いので、全く同じとは言えないだろうが、参考にはなるのではないか。
 主要成分はステロイド(βーシトステロール)のほか、サポニンで、βーシトステロールは近年大豆を原料として血中コレステロール減少効果や前立腺肥大症など多くのサプリメントが販売されている。
 
 中国では古くから腎肺に効くとされ、重用されてきたが、古代の医学書に「蜜に入れて顔を洗う」ともあるそうな。実は中国の後宮では天門冬を粉にして蜂蜜に入れ、体に塗って保湿や美白に使っていたらしい。
 
 インドでシャタバリを美容に用いていたのと一緒なのだ!
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西部戦線異状なし

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 明日からは雨の予報を受け、夜明けを待って猟場へと向かった。やはり秋だ、木々の葉は緑のままでもシャツ一枚では肌寒くなっている。
 早起きは三文の得と言うが、何れも期待外れで、最後の罠に祈る思いで近づくと、一瞬何かが現れたかと思うと突然消えた、幻覚?
 慎重に近づいて目を凝らして見ると、中型犬程の猪が枯れ枝の下に潜んでおり、更に近づくと果敢にも突撃してくる。

 さて、どうしたものか? ウリ坊を飼育している従弟の所へ持っていってやれば喜ぶが、既に背中の線は消えており、戦闘精神は果敢で突撃を繰り返してくるので迂闊に手を出すと噛まれるだろう。
 ワイヤーを付けたままなら持っていけなくもないので、道路まで戻って辺りを見回すが、よく捨てられてある肥料の袋も探すとなると無い。
 
 軽く叩いて気絶させ、罠を外して逃がせてやれば大きく育って獲れるとも考えたが、必ず獲れるとは限らないので田畑への被害を考えるとそれも難しい。
 母親や兄弟と一緒にいたはずだから、このまま放置しても様子を見に来たそれらに罠の恐怖を教え込むだけだろう。

 池禅尼の願いを聞いて頼朝を助命したばかりに平家を滅ぼした清盛の例の如く、可愛さに絆されて子供を助けたばかりに、後で臍を噛んだ例は数多ある。狩猟免許は非情のライセンス(爺さん古杉)直ちに処断すべしと決定。
 せめて雄々しく死なせてやろうと、突撃してきた猪の頭に山芋堀の一撃を振る舞った。

 獣害駆除では1年目の猪についてどう扱われるのか知らないが、成獣と同じ様には扱われないだろう。目標まであと1頭でもあり、果敢に戦って死んだ猪には気の毒だが駆除手続はしない事にした。
 報告書を書くとするなら「西部戦線異状なし」

久しき獲物

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 昨日、久し振りにまとまった雨が降った。雨で清められた山は深緑に彩られ、立ち上がった雲間から射す光は夏の気配すら感じさせる。

 ここしばらく獲物から遠ざかっているものの、見慣れてはいるが近づくにつれて深さと高さを増していく景色の中に「鈴鹿の山に雨が降ると鹿が死ぬ」の伝説?を意識する。
 
 一つ、二つ、罠には獲物の影は無い。それでも一縷の望みをもって最後の罠に向かうと、木立越しに獲物の跳ねる影! おお、伝説は偉大なり、山に神はおわします^_^

 小型の鹿がワイヤーを引いて逃げ惑い、つぶらな瞳で助けを請うが、情けは無用、日本の自然を破壊ずる大敵である。天に代わりて不義を討つ、日本陸軍かセーラームーンか^_^;枯れ枝で一撃し、止めの剣鉈を見舞った。
 鮮血を迸せて断末魔の苦しみにあえぐ姿に思わず「南無三」と発し、動きを止めた鹿に血濡れた山刀を置いて手を合わせる。命を懸けた戦いの勝者は常に虚しい。

 4月からの有害獣駆除累計が29匹になった。目標まであと1匹。残りの半月で達成出来るか? 稲の刈取りが終わった後は10日間でこの1匹だけである。獲物の動きを読めないが、この罠も日曜日に掛け替えた罠で、3日の間に掛かっており、こまめな掛け替えが必要な事は確かだ。

今日も収穫無し

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 狩猟の方は獲物の動きが全く感じられません。空弾きや罠の近くに足跡が無く「お客様がお掛けになった獣道は現在使われておりません」状態なのですね。
 これはもうお金を払う、イヤ似ているが違う、餌を置いて通じるかどうか試すしかありません。
 
 畑の方は1週間放置してあったので一面の草まるけ。ホーリーバジル(トゥルーシー)が雑草の中に赤紫の帯を描いていたので、畝間を刈り払い機で刈ると、写真の様に見事な?ホーリーバジル畑が出現しました。これでも今年は栽培を減らした方で、毎年栽培はするものの殆ど利用しないのですね。
 
 これを乾燥させお茶にして飲むとコルチゾールの過剰分泌を抑制してストレスの発生を抑えるだけでなく記憶力の低下を防ぎ、免疫力を高めます。詳しい説明は専門家に任せるとして、美容やダイエット、それに何より免疫力が低下している我々老人に良いのですよ。
 
 今春には背負い式の茶摘み機を購入したし、乾燥機はあるので刈り取って水洗いし、細かく切って日干して、更に乾燥機に掛ければ良いのですが、モノグサなのでそれをやらない。
 
 援農に来てくれるAさんが枝を切り取って、シートに広げて乾燥しては持ち帰っています。それと一緒に持ち帰るのが頭の働きが良くなる?ツボクサと精力を高めるアシュワガンダですね。
 この3種を乾燥させて粉末にし焼酎に漬けて飲んでみえるそうで、知り合いにも配布するのでかなりの量を製造されている? また肌に付けるとツボクサのアルコール抽出液ですから肌がツルツルになるそうです。
 
 肝心の栽培者は猟にかまけて栽培するだけなので、猟の出来ない10月は秘伝の薬草茶に取り組みたいものだ。

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