2014.03/31 [Mon]
珍客
今日は一日、ポットの植え替えと種まきで暮れる。昨年より一回り大きなポットに植え替えた薬草苗を庭に並べていると、バケツポットのウドに気持ちが悪い物体をハケーン。そう、アミガサタケが生えていた。もう6,7年になるだろうか、我が家の東側の庭にこのアミガサタケが生えるようになっている。ただ、昨年は何本かの姿を見たのだが、周りを見回しても今年はこれしか生えてない。我が家の絶滅危惧種になったようだ。
このキノコ、気持ちの悪い姿をしているので日本では食べられないが、欧米では高級食材と知られており、フランスではモリーユと呼ばれているそうでAmazon ではこの乾燥した輸入物を 20g 3,150円で売っている。「オマエんとこの庭で栽培して売ればの儲かるぞ 」とのご意見もあろうが、残念ながらこのキノコはまだ世界で誰も商業栽培には成功していないのだ。
βグルカンが癌に効くなどキノコの薬理効果は高いので、7年程前にキノコの培養を試みました。試験管での一次培養は数撃ちゃ当たるで、何本かに1本は成功するのですが、それを種に量産の2次培養をすると設備が貧弱なので、まるでカビの養殖をしているようなものでしたね。
キノコ産業は装置産業であり、資本力が勝負の世界である事を身を持って知ったので、素人が手を出す物ではないと封じております(^_^)
知る人ぞ知る世界ですが、実は三重県はキノコ研究では先進県なのですね。今は津市久居町となりますが、明治32年にそこで生まれた岩出亥之助なる人物が東京帝国大学に入学して、のちにその教授となって日本でのキノコ栽培の先駆的研究をされてみえました。戦後になって三重大農学部の教授になられたのですが、それ以来、三重大からはキノコ研究者を輩出しています。
そんな人材蓄積があったからでしょう? 近くにあった王子製紙の育苗研究所ではハタケシメジの量産化に日本で始めて成功しています。残念ながら今は事業所も廃止されて無く「亀山1号」とハタケシメジの品種に名を残すのみですが^_^;
そのテストプラントは奥伊勢森林組合に移設されて今も栽培は続いており、四日市楠町のタカラバイオ楠工場では各種シメジが量産されています。
うん、キノコ栽培は三重県が誇る技術となると、このバケツのアミガサタケも疎かにはできないな。あとで胞子が散ったバケツの土を庭中にばら撒いてみよう。うまく行けば来年はモリーユ入りのクリームパスタが食べられるぞ?
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