野良爺風伝録

鈴鹿山脈の東麓で、薬草と機能性野菜の栽培に取り組む、気儘なオヤジの世迷言

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春の芽

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 温かな日が続き、我が家の薬草や毒草、そして夏野菜たちが一斉に芽を出してきました。
春の陽気に誘われたのか、めったに客の来ない我が家に四日市から薬草苗を買い求めにいらっしゃった。

 ふつーの住宅団地にある小汚い家なので、夢を壊してしまうから、お客様を積極的には招いていない(^_^;
畑を見せて欲しいと仰る方もいらっしゃるが、これまた草茫々で評判を落としかねないからお断りしている。これはうちだけでなく大抵が同じで、楽屋裏は見せないものだ。
郷土が生んだ偉人、世阿弥の「風姿花伝」からの言葉を借りるなら「秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず」と言うわけで、うちはネットだけでお客様の想像をふくらましている(^_^;

 熱心に訪問したいと仰るので「栽培は別の畑でしており、民家の庭にポットを並べているだけですよ」と断った上で来ていただいた。
お話を伺うと「定年になるので、荒らしてある田畑で薬草を栽培したい」との事。
「日本の農業は補助金制度で成り立っているので、米を栽培するのが一番お金にはなりますよ」と答えると「今更米作りの機械を揃える気がない」と仰る。
不耕起直播をして機械がそれ程いらない栽培方法もあるのだが、その気は無さそうなので話すのはやめた(^_^;

 薬草より米や野菜を栽培した方が収入が確実であり、薬草栽培が盛んだった島根や吉野、信州・富山など、自然条件が厳しい所で収入を得る方法として薬草が栽培されてきたのであり、反当たり収入は野菜に劣ると厳しい宣告から始める。
また、野菜栽培では概ね反当たり収入が8万円ぐらいあり、1町歩栽培すると80万円になるが、薬草は需要が限られており、1町歩も作れば値崩れする場合が多く、大きな需要のある物は限られおり、そういう物に新規参入しても既存農家に太刀打ちするのは難しく、経験不足から病害虫被害や自然災害のリスクも高いと訴えた。
野菜なら市場に出したり、小規模なら農協などが経営している直販所に出せば良いが、薬草は産地問屋が栽培を取り纏めて製薬会社へ卸しており、殆ど契約栽培なので知り合いの問屋さんを紹介する事はできるけれど、問屋さんが欲しい薬草を有る程度の量を揃えないと相手にして貰えないと説明。

 各地で村起しや町起しで薬草栽培をされているが、年寄りの生甲斐として有効ではあるものの経済的にはペイするものではないのだ。
薬草に限らず農業を小規模でやるには加工や販売までして始めて利益が得られるものだが、薬草には薬事法で規制されているので個人が販売できる物は「薬」草でない物しかダメであり、しかも販売に当たってはその効果を謳う事も禁止され、製薬会社や薬品販売会社の独占利益を守る為に農家は利益の出ない栽培のみに追いやられているのが現実だ。

 ハンシレンとトウキをご希望との事なので、ハンシレンは薬指定を受けていないので癌予防のお茶にして販売できるし、トウキも葉は販売できるので浴料にするとアトピーなどの方に喜ばれるとセールストーク(^_^)
第二の人生を薬草栽培で過ごす夢を壊してしまったのかもしれないが、自家消費として薬草栽培をするのは多いに勧めるものの、経済栽培となると厳しい現実の話をせざるを得ない。

 8年間薬草栽培をしてきた経験からすると、薬草と言うより、薬草を含む機能性野菜の栽培農家が横の繫がりを持って、薬膳料理の原料基地が出来無いかと思う。
消費者サイドからすると色々な物を食べたいだろうが、作る側からすると効率的に量産したいだろうし、専門性も持ちたいだろう。そこでネットワークを作って各種の要望に対応し、その集団としての知名度を高めて行けないかとの考えだ。
 書くのは簡単だが、行動となると難しいかもしれない。しかし食事の機能性が重要視されていくのは確実だ。ただ預言者郷里に容れられずと言う、我が家の春は遠い(^_^;
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