


先日、久しぶりに名古屋からAさんが畑にやってきました。
育てているアマドコロとシャタバリを収穫する為です。
アマドコロは根茎を乾燥した物を生薬名で萎蕤(いずい)と呼び、これとよく似たナルコユリを黄精(おうせい)と呼んで、共に精力剤として利用されます。
小林一茶が黄精の焼酎漬けを良く飲んでは、52歳から65歳までの間に3人の妻をめとり、5人の子をなしたと伝えられており、精力剤として有名です。それだけでなく強心作用・降血圧作用・降血糖作用もあるそうですから、高齢者にはもってこいですね。
鈴鹿山麓では露地栽培だとアマドコロは育ちますがナルコユリはいつの間にか消えて行きます。半日陰地を好むのでソフト寒冷紗白を掛けていましたが、アマドコロは掛けなくても育ちます。
岐阜県下呂市では10年以上前から県の林業研究所の指導の下に地域の特産品化に通り組んでおり、今では良品選抜をして固定化し栽培品種も出来たらしい?
シャタバリはインドやアフリカが原産で、女性用の精力剤として有名です。女性用ホルモンの働きを良くするのですが、男性ホルモンの働きを良くする精力剤を服用する人は一緒に飲むとより効果があるとかで? 男性も利用するのだそうです。
最初はネット友達にタイで苦労して購入して頂いたにも関わらず、越冬に失敗しました。Aさんが沖縄から入手したと持ってみえた苗を何とか育てていますが、ある程度大きく育てば大丈夫なものの、幼苗の露地越冬率はあまり良くありません。
何か良いアダプトゲンはないかなあと言うと、Aさんが「前に日進市で黒生姜(黒ウコン)の量産に成功して特産品になっているロ-カルニュースがあったなあ」と答えた。
5、6年程前になるだろうか? シャタバリと同じ友達にタイで購入して頂き、1年目は失敗したので2年目には数を増やし、結局は上手く行かずに諦めたが、一部をAさんが自宅へ持ち帰り、冬には室内に持ち込んで僅かながら生き残っている物だ。
本州では栽培出来ないとされていたが、何度も失敗して判った事は、栽培は出来るのだが、子芋の発育が悪く、経済栽培が出来ないと言う事であった。
当地では6月末から7月初めに発芽し、11月には枯れて行くのだが、観察していると、先ず親株が大きく成長し、次いで子芋が出来るのだが、十分に大きくならないまま、寒くなって葉が枯れてしまう。
種芋を加温してもう少し発芽を早め、加温設備の有るハウス栽培をすれば何とかそれなりの大きさの子芋を収穫出来るとは思うのだが、うちにはその施設が無いし、例へ施設栽培をしたとしても、恐らく沖縄での栽培品やタイからの輸入品に対して価格競争力が無いだろうから諦めた。
栽培に成功されたのは、私より数歳若い、元名大病院の検査技師の方で10数年がかりだそうだ?
黒生姜の国産化は岐阜大学農学部が取り組み、京都亀岡の業者がその指導を受けて沖縄で事業化したと聞いている。東海地方では産学協同の成功例として、薬草栽培に関わる者には知られていたと思う。
こう言った事を知ると、こちらも頑張らなくてはとやる気が湧いてくる。
Aさんが「幾つかあるから又持って来る」と言ってくれたので、再度挑戦してみるかな? 農文協の「新特産シリーズ ウコン」に青森だったかの栽培例が載っていたはずだ、青森で春ウコンや秋ウコンが栽培出来るのなら、鈴鹿山麓で黒ウコンも育つはずだろう?
写真は数年前の11月に撮影した黒生姜
子芋が出来てないのや、出来ていても未だ小さいです。
子芋が出来るスイッチは何だろう? 気温? 日長? 日数? 何とかして早めたい物だ
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