野良爺風伝録

鈴鹿山脈の東麓で、薬草と機能性野菜の栽培に取り組む、気儘なオヤジの世迷言

Entries

不思議な勝利

9241.jpg
9242.jpg
 浮かぶ雲は濃緑の山中から見上げる高く青い空の中では白く際立つ、白秋さなかなり。
 
 かっての棚田が今では桧林になっている猟場を行くと、近づくまでもなく罠には動く影、猪だ!
 すぐさま車に戻り、槍やカメラなどの7つ道具を持って罠から離れた場所に陣を構えた。
 
 近づいて偵察をすると敵は50キロ程で極めて活発に動いているが、その理由はまたしても罠は鼻を括っており、足は自由に動かせるからだ。
 ワイヤーは立木に絡んではいないが、倒木に巻きついて短くなっており2m程、前後4mの動きと見る。
 
 今日の槍は延長部は持たず3mであり、敵に近い立木を盾にして槍を構へ、突撃して来たところで躍り出て槍を突き出した。
 右の耳後ろを刺したが浅い感じがし、更に突撃してきた所へ2の槍を出すと、狙いが外れて大事な背ロース部を突いてしまったではないか。
 
 槍は刺すより抜きを早くせよと言われるのですぐさま引き抜くと、突然ムクムクとそこから血の泡が噴き出した!肺の中心部を刺したに違いない。
 
 それが何か見極めていると猪は急に明後日の方角にワイヤーを引いて大きく仰け反り痙攣を始めたではないか!
 「エッ、どうしたの?」と言う感じで、僅か2合で、しかも何れも深く刺した感じはしなかったが、猪はあっけなく昇天したのである。
 
 先日解体した猪が枝肉のままなので、今回の獲物は埋設処理とした。今の季節の猪は人気が無いかもしれないが、丸々と太った猪を埋めるのは勿体ないなあ(^_^)
スポンサーサイト

激闘の末に

915.jpg
 前日の見回りで猪が掛かっていたのは判っていたのですが、生憎槍を持っておりませんでした。50キロオバーと思えたので、とても山芋堀で叩いて仕留める勇気は私にはありません。
 孫子曰く、朝は鋭、昼は惰、夕は帰。午後も3時を回っており槍を取りに戻ってまで仕留める気も起らず、明日出来る事は明日すれば良いとの性格もあって、、翌日に延ばし、準備も万端、戦意も高く早朝の出陣となりました。
 
 前の逆襲に懲りたので、今回は慎重に攻めます。普段は3mの槍に1mを繋いで4mにし、ワイヤーで括られた敵の攻撃内には入らずにアウトレンジアタック。
 
 しかし老いて腕も細くなった身には4mの先に重ね9ミリの菊池槍を付けた槍は重すぎて、動き回る猪を突くには狙いが定まりません。猪さんには気の毒でしたが、槍で刺すものの一向に致命傷を与える事ができず、長々とやり取りのあと出血多量でへたって来たところを、槍を短く持ち直して胸元深く槍を沈め、何とか仕留めました。
  
 今期有害駆除の最後の得物になるかもしれないので久し振りに解体をしましたが、予想通り脂はのっていません。10月になって猟が出来なくなったら燻製に取り組もうと思うのでそれで十分です。
 
 有害駆除は月5頭の6ヶ月30頭を目標にしましたが、何とかクリア。残り1週間でもう1頭欲しいなあ。

中印美人草

 台風一過、罠の様子を見に行こうとしていると、名古屋から援農ボランティアに来てくれるAさんより電話があり、喫茶店に居るから来いとの事で急遽予定を変えることとした。
 
 喫茶店で長話のあと畑に向かうと、台風の被害は殆ど無く、シャタバリの試し掘りを行った。
 シャタバリはAさんがたって願った薬草で、入手に苦労した。タイから知人に持ち帰って貰ったものの冬越しに失敗したが、Aさん本人が見つけて苗を取り寄せたものが育った。
 畑とポットで合わせて10本程あり、畑での冬越しにも何とか成功して、写真の様に根茎が沢山できている。
 
 水洗いをして薄く切り、乾燥して蜂蜜に漬けるか、粉末にしたあとやはり蜂蜜で練るのが一般的な利用方法らしくシャタバリは成分を蜂蜜に溶かし込むのが良いらしい。もちろん乾燥したあとお酒に漬け飲んでも効果があるとの事。
 
 前回書いた様に語源は「100人の夫を持つ人」との意味で、女性を強く美しくする効果を持つが男性にだって効く。
  
 最後の写真は昨年、元広島植物公園長で南方植物の研究家であり、私にとっては綾ケ谷流ツボクサ栽培の家元である中山長秀さんからお送り頂いたクサスギカズラであるが、同じキジカクシ科の植物でこれの根を蒸して乾燥したものを漢方で天門冬と呼び、鎮咳、利尿、緩和、滋養、強壮の効果があってやはり蜂蜜に漬けた物を食べる利用方法がある。
  
 学問的資料はこちらの方が多いので、全く同じとは言えないだろうが、参考にはなるのではないか。
 主要成分はステロイド(βーシトステロール)のほか、サポニンで、βーシトステロールは近年大豆を原料として血中コレステロール減少効果や前立腺肥大症など多くのサプリメントが販売されている。
 
 中国では古くから腎肺に効くとされ、重用されてきたが、古代の医学書に「蜜に入れて顔を洗う」ともあるそうな。実は中国の後宮では天門冬を粉にして蜂蜜に入れ、体に塗って保湿や美白に使っていたらしい。
 
 インドでシャタバリを美容に用いていたのと一緒なのだ!
syatane.jpg
syatane4.jpg
tenmondo1.jpg

西部戦線異状なし

P9154ino.jpg
 明日からは雨の予報を受け、夜明けを待って猟場へと向かった。やはり秋だ、木々の葉は緑のままでもシャツ一枚では肌寒くなっている。
 早起きは三文の得と言うが、何れも期待外れで、最後の罠に祈る思いで近づくと、一瞬何かが現れたかと思うと突然消えた、幻覚?
 慎重に近づいて目を凝らして見ると、中型犬程の猪が枯れ枝の下に潜んでおり、更に近づくと果敢にも突撃してくる。

 さて、どうしたものか? ウリ坊を飼育している従弟の所へ持っていってやれば喜ぶが、既に背中の線は消えており、戦闘精神は果敢で突撃を繰り返してくるので迂闊に手を出すと噛まれるだろう。
 ワイヤーを付けたままなら持っていけなくもないので、道路まで戻って辺りを見回すが、よく捨てられてある肥料の袋も探すとなると無い。
 
 軽く叩いて気絶させ、罠を外して逃がせてやれば大きく育って獲れるとも考えたが、必ず獲れるとは限らないので田畑への被害を考えるとそれも難しい。
 母親や兄弟と一緒にいたはずだから、このまま放置しても様子を見に来たそれらに罠の恐怖を教え込むだけだろう。

 池禅尼の願いを聞いて頼朝を助命したばかりに平家を滅ぼした清盛の例の如く、可愛さに絆されて子供を助けたばかりに、後で臍を噛んだ例は数多ある。狩猟免許は非情のライセンス(爺さん古杉)直ちに処断すべしと決定。
 せめて雄々しく死なせてやろうと、突撃してきた猪の頭に山芋堀の一撃を振る舞った。

 獣害駆除では1年目の猪についてどう扱われるのか知らないが、成獣と同じ様には扱われないだろう。目標まであと1頭でもあり、果敢に戦って死んだ猪には気の毒だが駆除手続はしない事にした。
 報告書を書くとするなら「西部戦線異状なし」

久しき獲物

P91sika.jpg
 昨日、久し振りにまとまった雨が降った。雨で清められた山は深緑に彩られ、立ち上がった雲間から射す光は夏の気配すら感じさせる。

 ここしばらく獲物から遠ざかっているものの、見慣れてはいるが近づくにつれて深さと高さを増していく景色の中に「鈴鹿の山に雨が降ると鹿が死ぬ」の伝説?を意識する。
 
 一つ、二つ、罠には獲物の影は無い。それでも一縷の望みをもって最後の罠に向かうと、木立越しに獲物の跳ねる影! おお、伝説は偉大なり、山に神はおわします^_^

 小型の鹿がワイヤーを引いて逃げ惑い、つぶらな瞳で助けを請うが、情けは無用、日本の自然を破壊ずる大敵である。天に代わりて不義を討つ、日本陸軍かセーラームーンか^_^;枯れ枝で一撃し、止めの剣鉈を見舞った。
 鮮血を迸せて断末魔の苦しみにあえぐ姿に思わず「南無三」と発し、動きを止めた鹿に血濡れた山刀を置いて手を合わせる。命を懸けた戦いの勝者は常に虚しい。

 4月からの有害獣駆除累計が29匹になった。目標まであと1匹。残りの半月で達成出来るか? 稲の刈取りが終わった後は10日間でこの1匹だけである。獲物の動きを読めないが、この罠も日曜日に掛け替えた罠で、3日の間に掛かっており、こまめな掛け替えが必要な事は確かだ。

ご案内

プロフィール

野梵

Author:野梵
ようこそ!自然生村のオヤジのブログへ
ホームページはじねんファーム(http://zinen.web.fc2.com/)
リンク欄をクリックして下さい

カレンダー

08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

最新記事

フリーエリア

最新トラックバック

右サイドメニュー

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR